食べ物記者 齋藤訓之

農業、食品、外食に関するビジネスの記者・編集者、齋藤訓之(さいとう・さとし)のWebサイトです。

食の損得感情

「食の損得感情」復刻について

mementos of FoodScience 「FoodScience」(日経BP社/2010年3月休止)で連載していました「食の損得感情」(齋藤訓之)の記事公開を「Food Watch Japan」で開始しました。 内容と公開日は、FoodScienceでの公開当時のものとなっています。記事一覧は下記を…

ごちそうさま

mementos of FoodScience FoodScienceのWebmaster中野栄子さんのはからいで、この欄の執筆者一覧を汚させていただくようになって5年が経ちました。専門家の先生方が多い中、場違いで申し訳ないと考えるたびに私の役割を説き、励まして下さった中野さんとスタ…

不祥事前夜。批判されない危険

mementos of FoodScience トヨタ自動車社長が米国議会下院の公聴会に出席する半日前、元ハーレーダビッドソンジャパン社長の奥井俊史氏にお会いしていた。奥井氏はトヨタ出身でトヨタのことをよく知っている人だ。その日は、今回の一件をどう見ているかとい…

捕鯨を続けるナショナリズム以外の理由は何か?

mementos of FoodScience トヨタ自動車のリコールについて、一部ではまたぞろ“アメリカの陰謀”とのささやきが湧いている。グローバル化した分野では、ビジネスの競合関係や種々の問題を国同士の敵対関係に置き換えて語られることが起こりやすい。しかも、陰…

〆アジがすたれたのはコールドチェーンのせいではなかろうという話

mementos of FoodScience レストランを経営している友人に誘われて、すしを食べに行った。私はグルメではないので、高価な食事をすることなど年に何回もないのだけれど、「魯山人にもすしをにぎった80過ぎのSさんが現役で握ってくれる店。1万円程度でお願い…

プライドは“やり方”ではなく“やること”に

整備場の日航機。社員が「高い士気を維持」はいいが、“高いプライド”のありかはいったん疑ってみてはどうか。 私の郷里と東京をつなぐ定期便は長らく全日空だけだったので、初めて日航機に乗ったのは就職してからだった。20年ほど前、金沢に出張したときだっ…

問答無用のドーピング禁止規定

mementos of FoodScience 今年は冬季オリンピックがある。これに関することをあれこれ読んでいたら、スキーウエアにも競技によって禁止される素材や形状があるということが分かった。以前、競泳で新しい素材や形状の水着について話題になったことと同様の動…

「食育」の前に「理科離れ」を止めるのが先

mementos of FoodScience またぞろテレビの受け売りだが、なんでも、理科の実験の授業が苦手な教師が増えているのだという。何週間か前の「クローズアップ現代」(NHK)で、その話題を取り上げていた。番組では、そうした教師が増えている原因の一つを、彼ら…

市民農園で農薬を使うのをあきらめた日

mementos of FoodScience 数年前、市民農園を借りて畑仕事のまねごとをしていた。市民農園には市が委託している指導員という人がいる。いろいろと栽培の相談に乗ってくれるが、実際にはお目付役だ。他の地域のいろいろな人に聞いてみると、行政が提供する貸…

「奇跡のリンゴ」木村秋則氏に抱く疑問

mementos of FoodScience 夜、たまたまテレビをつけてみたら「プロフェッショナル仕事の流儀」(NHK)をやっていた。それでひとつまずいことを思い出した。以前この番組に木村秋則さんという人が出演し、その後この人の生き様を綴った「奇跡のリンゴ」(石川…

食品は理性と感情の統合ができているか

mementos of FoodScience 8月の終わりのことで少々前の話になるが、“開運ブレスレット”を販売していた会社や個人が、経済産業省から業務停止などの処分、指導を受けた(特定商取引法違反)という報道があった。霊感商法などは以前から社会的な問題となってい…

生産、流通、消費が分かち合うもの

チェーンストアのビジネスパーソンが農家を訪ねるメリットは価格交渉のためだけではないはずだ 天候不良による農産物の不作を伝える報道が目に付く。特に影響を受けていないと言う農家がいる一方、こうした報道があるということは、よほど困っている農家もい…

雑草は昔からスーパー雑草だった

北海道型の手押し除草機の一つ。棒の先に取り付けたレーキとスキー状の板を作物のそばで滑らせ、雑草の芽を倒していく 7日19時のNHKニュースを見ていたら、続く「クローズアップ現代」で「スーパー雑草」を取り上げるという。すわ、またぞろ除草剤耐性遺伝子…

情緒が論理を凌駕する

Toastmastersのコンテストにて。話の筋が通っているだけでは評価されない「ナチュラルとヘルシー」(ウォーレン・J・ベラスコ著、加藤信一郎訳、新宿書房)という本がある。原著は1989年刊と少々古い本だけれども(今も新刊が手に入る)、60年代~80年代の米…

明日ひとを苦しめる可能性を、誰もが警戒すべき

原爆ドーム。問題は核だけではない。 本日、広島原爆忌。4日の日本経済新聞に、「エノラ・ゲイ」元航法士セオドア・V・カーク氏のインタビューが載っていた。戦争を知らない世代の人から「なぜ原爆を落とした」と尋ねられるという。元機長は「墓石に名を刻む…

私たちの限界――食品安全委員会人事から

日食。真実が見えないのは、月のせい? 雲のせい? ある代議士の秘書を務めていた経験のある友人が漏らしていたことがある。彼の見るところ、ほとんどの国会議員には勉強の時間がないと言う。公務のほかに、党の会議や他の代議士との調整などのいわゆる“政治…

「波動」の正体(2)

5円玉のダウジング。「どれどれ、この本にはいいことが書いてあるかな?……読めばわかるか」 私が「は?」という顔をしているのを見て、彼はいみじくも言った。「電気的な意味は全くないそうです」。言われてみて納得。「そういうことか!」と二人で合点した…

「波動」の正体(1)

包装に「ありがとう」をたくさん書いたお茶。おいしいと感じたのは、たぶん「ありがとう」のせいではないと思うのだが 農家を訪ねたり、食に関係するいろいろな人に会っていると、「波動」なるものを語る人によく出くわす。水を入れた容器に、2種類の文字を…

ヒットを生むわがままな心(2)

スパゲティ(「カ・アンジェリ」にて)。もちろん、レストランで食べるできたての料理はうまい。しかしそれに甘えれば、新しいビジネスに足をすくわれることもある どんなに優れたコンセプトでも、周りに似たようなコンセプトばかり現れれば、一般の消費者か…

ヒットを生むわがままな心(1)

ハーレーダビッドソンの1台。ショップにあったあるステッカーにはこう書いてあった。“If I have to explain, you wouldn’t understand.”(説明しろって言うんじゃあ、君にはわかんないね) テレビの話から。5月21日のNHK「クローズアップ現代」のテーマは「…

伝えるべき「おいしい」は生理学的な味覚とは違う

ロウソクの火を消して、そのまま食べたらどんな味? 先日、テレビを観ていたら、都内のある寺で「暗闇ごはん」というイベントを行っている様子が流れ、興味をそそられた。真っ暗な部屋でしかも目隠しをして、運ばれてくる料理を食べる。志願者たちは、一皿一…

理論と感覚の両方がそろって見識が育つ

mementos of FoodScience 以前「日経レストラン」に、パソコンを販促に生かす話題として、RFM分析を紹介したことがある。コンサルタントに書いてもらった記事だが、R(recency、最後の利用は何日前か)、F(frequency、ある期間内の利用回数は何回か)、M(m…

「裸の王様」は不幸だったのか?

CAP アンデルセンの「裸の王様」は、王様が「愚か者には見えない布地で服を作る」という2人の男に新しい服を発注する話だ。王様にも家来にもその服は見えなかったが、「愚か者」と思われるのはまずいので、見えることにして出来映えを褒め、高額な報酬も与え…

「食料自給率」は21世紀の新概念

「BRUTUS」2/15の特集「みんなで農業」。農水省の「食料自給率戦略広報推進事業委託事業」の随意契約で、契約金額は30,452,940円也 書くことについて、3人の師匠を私は拝している。その一人の農業技術通信社の昆吉則社長が、「自給率問題で農業を考えるな」…

法律を破り、宗教を踏みにじった佐賀牛

佐賀県の神秘的な景色。中央の島には宝くじが当たると評判の神社があるが、その御利益を科学的に証明する必要はない(記事とは関係ありません) 佐賀県職員が、アラブ首長国連邦(UAE)に佐賀牛の肉を「不正に持ち込んだ」というニュース。法律と宗教をなめ…

遺伝子組換え技術と核兵器技術

原子力ではなく内燃機関で発電した電気で走り、核装備もない日本の潜水艦。それでやってこれたのには、理由がある 考えれば考えるほど似ている。遺伝子組換え(GM)技術と核兵器だ。こんなことを言い出すと、「お前さん、いよいよでたらめを言い始めた」と言…

農業への参入だけが農業への貢献ではない

[caption id="attachment_1453" align="alignright" width="192"] 千切り大根の乾燥。生のダイコンが、自然環境、農家の勘、出荷担当者の舵取りの3つで価値を増す 日本経済新聞の土曜朝刊に別刷で付く「日経 PLUS1」の1月10日の号、「楽食探訪」という欄に宮…

おせち料理の技術革新は進んでいるのか

[caption id="attachment_1443" align="alignright" width="192"] おせち料理。見た目はおいしそうなのだが 遅ればせとなるが、正月の話題から。おせち料理のことだ。ひとと話していると、どうもおせち料理のウケが悪い。テレビで、「どうしたらあれをおいし…

「損得勘定」は「損得感情」と書くと普通は間違い

誤解が多いようなので書いておきますが、普通に言う「そんとくかんじょう」を漢字で書く場合は、「損得勘定」が正しい。損得を勘定するわけです。

「国際ポテト年」の2008年が暮れる

メリー・クリスマス。この原稿が、私の今年の分の最後の担当となる。今年は、もう書くのも読むのもこりごりだが、前年からの食品関連の不祥事の話題を引きずったまま中国産ギョーザ事件で幕を開け、穀物価格の高騰に翻弄され、ついにコメの偽装までと、食品…

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