食べ物記者 齋藤訓之 のホームページ

そばスタンド、静かなるお尻テロ


この記事をツイートこの記事をツイート

線路はどこまでも続くわけではなかった
線路はどこまでも続くわけではなかった

 学生の頃、帰省に急行列車を使うと安く上がることを覚えて何度か使った。19時とか20時頃上野を出て、翌朝青森に着く。座り心地の悪い椅子で12時間も揺られるのできつかったけれども、なんだか面白かった。

 国鉄がJRに変わる直前だったか直後だったか。向かい合わせに座った人の話をよく覚えている。

 20代後半ぐらいの男性で、仕事を休めることになって帰省するところだった。

 国鉄で働いていた。車掌として列車に乗務することを夢見て入社した。ところが、民営化に伴って、鉄道に直接携わる部門から外された。

 そばスタンドでそばを茹でているという。外食に携わろうと思って入った会社ではないので、納得のいかない毎日を過ごしていた。

 朝、店に入って最初にすることは、巨大な釜に火を入れてお湯を沸かすこと。湯が沸くまでは、することがない。冬場は寒い。それでその人、お湯が沸くまで釜にお尻を付けて待っていたのだという。

 そうやって沸かした湯で調理したそば。さぞや、怨念のこもった味がしたに違いない。

トラックバック

※この記事のトラックバックURL:
http://saitosatoshi.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/1919

TOP食べる智恵壊れた世界エデンの東想う伝える書架の眺めこのサイトについて
Powered by Movable Type 4.01
当サイトに掲載の記事・図画・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright ©2004-2011 Saito Satoshi All Rights Reserved.
No reproduction or republication without written permission.
E-mail:info@saitosatoshi.com