食べ物記者 齋藤訓之

農業、食品、外食に関するビジネスの記者・編集者、齋藤訓之(さいとう・さとし)のWebサイトです。

無料メルマ「購読」で「DNA」受け「進化」しよう?

[caption id="attachment_1143" align="alignright" width="192"]購読なのかい、無料なのかい 購読なのかい、無料なのかい[/caption]

 最近気になる言葉の誤用が三つある。

 一つは「購読」。

 メールマガジンを発行しているほとんどのWebサイトで、メールマガジンを定期的に受け取ることを、「購読する」と表現している。有料のメールマガジンではなく、無料のメールマガジンについて、そのように表現しているものが多い。

「購読」というのは「買って」「読むこと」だから、これは全くの間違い。

[caption id="attachment_1144" align="alignright" width="192"]どうなの、そこんところ どうなの、そこんところ[/caption]

 もっとも、「購」の意味が「あがなう」つまり「何かと引き換えに別のものを得る」ことだとすれば、個人情報を差し出すことでメールマガジンを受け取るのだとも取れる。何だか嫌な話だ。

 二つ目は、「DNA」。

 新聞やビジネス雑誌などが、「戦前の原体験で刷り込まれたDNA」「脈々と受け継がれるトヨタのDNA」などという表現をよく使っているのを見かける。

[caption id="attachment_1145" align="alignright" width="192"]ねぇ。 ねぇ。[/caption]

 比喩として面白いと考えたのだろうが、すでに陳腐化している。その上、DNAがあたかも大人の人間に後天的に潜り込むようなイメージ、無生物である法人にDNAがあるイメージ、DNAが気分的なもので物質ではないというイメージというのは教育上よろしくない。

 三つめ。教育上これが最もよろしくない。「進化」。

「ポケモン」の話だ。たとえば、「ピカチュウ」は「ピチュー」から「進化」して、さらに「ライチュウ」に「進化」するんだそうだ。

 ばか言っちゃいけない。

 進化というのは、一つの個体の中で起こる現象ではない。世代を重ねる中で現れる歴史的変化の過程を言う。

 ポケモン自体荒唐無稽なものだが、あのキャラクター達が一個体の中で起こす変化を表現する言葉としては、「成長」なり「変態」が妥当なところだ。

 折から、2003年から実施された新しい学習指導要領では、中学の理科、高校の生物Iから「進化」に関する内容が除かれている。今後、「進化」の誤用、誤解が進むことは避けられない。

 子供を使ってお金を集めるビッグ・ビジネスにあっては、ささいな問題なのかも知れないが。

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