食べ物記者 齋藤訓之

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惜字炉

[caption id="attachment_1271" align="alignright" width="144"]惜字炉(たぶん) 惜字炉(たぶん)

 台湾のお寺で見た、奇妙な形の炉(写真)。恐らく“近代的な”惜字炉(せきじろ)なのだろうと思う。

 China系の良家の人たちは、書かれたものを大事にする。文字の記された紙などを粗末にすると祟りがあるのだと考える。明の時代の言葉で「敬惜字紙」と言うらしいが、亀甲獣骨を焼いて占う卜易から文字を作ったお国柄、起源はさらに古いに違いない。

 それで、いらなくなった文書の類は、しかるべき場所で焼くことになっている。それが、お寺などにある惜字炉(惜字亭、敬字亭とも)。各家庭に備えているものかと思ったら、そうでもないらしい。

 函館にも、外人墓地の一郭「函館中華山荘」に、レンガ造りの立派な惜字炉がある。文字を大事にする気持ち、文化が目に見えるものになっているわけで、そういうものと知ったときにずいぶん感心した。

 ほかにも、チャイナタウンのある街には惜字炉があるに違いない。沖縄にもこの文化は伝わっていて、焚字炉(フンジュルー)と言う由。

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