食べ物記者 齋藤訓之

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グラパラが呼び覚ました古い記憶

[caption id="attachment_1380" align="alignright" width="192"]観葉植物の葉のようなグラパラ 観葉植物の葉のようなグラパラ[/caption]

 先週、母が「友達にもらった」とグラパラを持ってきた。トゲのないアロエのような、細長いカネノナルキの葉のような、熱帯植物園で見たことがありそうな肉厚の葉。パンフレットではカルシウムの吸収のよさを強調している。

「うさんくさいなー」というのは正直な第一印象だが(なんら根拠はない)、パンフレットに映っている水耕栽培の施設がきれいで、ちょっとひかれる。

 グラパラを水洗いして、何もつけずに食べてみる。ウレタンのスポンジのように軟らかく、唇でポリッと音がするように折れる。断面の縁には、玉ネギの皮のようなセロファン状の薄膜が見える。はかないほど軟らかい葉で、微かな渋みと、ほんのりとした酸味で、葉ものというより、果実を思わせる風味。

[caption id="attachment_1381" align="alignright" width="192"]グラパラの葉は、「ポリッ」と折れる グラパラの葉は、「ポリッ」と折れる[/caption]

 子供の頃、カンケリオニ(缶蹴り鬼)をしている最中、身を隠した隣家の軒下でグズベリーを摘んで口に入れたときのこと。友人の家のそばの、通称「裏山」で飛び上がって取ったヤマブドウを恐る恐る食べてみたときのこと。そんなことなどを思い出した。

 食べ物については、栄養よりも、味の良さよりも、そういう記憶をたぐり寄せるような機能のほうに、なぜか興味が行ってしまう。

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