食べ物記者 齋藤訓之

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函館のユキハネ。青森のユギキリ

[caption id="attachment_1497" align="alignright" width="192"]この程度の雪で驚いてちゃあね(福岡) この程度の雪で驚いてちゃあね(福岡)[/caption]

 除雪のことを、普通はユキカキと言う。ところが、北海道、とくに私の郷里函館などではユキハネと言う。

 初雪から2月の寒い頃まで、函館に降るほとんどの雪は軽い粉雪。しかも、一度に降る量は、雪国と言われる地方に比べればさほど多くない。これを、雪かき(ユキカキに使う例の軽量なシャベル様の道具)や竹ぼうきで、パタパタと撥ね飛ばすようにして片付ける。これがユキハネ。転じて除雪全般をユキハネと言う人も多い。

 以前、この話を対岸の青森の友達に話したら、彼は顔を曇らせた。青森ではユキハネなどとんでもない。ユキカキでさえない。ユギキリ(雪切り)だと言う。

 彼の地では、重く、大きなボタ雪が、大量に降る。雪は、着地したそばから重い塊となる。どっしりと積もった雪は、さながらねぶた祭りの夜に売っているアイスクリンのよう。これが何mも積もる。

 除雪するには、大きな雪かきを持って、まず巨大な雪の塊に対峙する。適当な幅を見定めて、その両端に、縦の切れ目ができるように雪かきを突き刺す。次にその奥にも、雪かきを突き刺す。しかる後、切り出した雪の塊の下の方に雪かきを付きいれ、テコで上に持ち上げるようにして、雪の塊を周りの雪と分離させる。そして、そのまま雪かきを引きずるように手前に引けば、大きく、重い、四角の雪の塊が出てくる。これを近くの川まで運んで捨ててくる。その繰り返し。

 遊びに行ったとき、一度手伝ったことがあるけれど、ほんとにたいへん。一度でもうへとへと。でも、彼らにとってユギキリは冬場の毎日の仕事。ユキハネなんて言ったら、嫌な顔するはずさ。

 ごめん。

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