B型 Rh(-)の血液についてのチェーンメール

B(-) 壊れた世界
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B型 Rh(-)の血液について、チェーンメールが出回っていると、新聞報道があり、Webでも話題になっている。チェーンメールが発生することは困ったことだし、Webで探した問題になっているメールの文面と思われるものの内容にも正確を欠く点、過度に気持ちが盛り上がってしまっている点などある。これはこれで、チェーンメールを書いた人、ばらまくのに一役買った人は、反省すべきだろう。

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 ただ、新聞報道の方に、より大きな問題を感じる。「デマ」「偽メール」と断定する見出しや本文の記事がいくつかある。だが、どのように、そう断定したのか、よくわからない。

 というのも、このチェーンメールとかかわりがあるかどうかは不明だが、私自身B型 Rh(-)で、今現在、ある人の白血病治療に際して、最適なタイミングでの血液の提供の相談を受けていて、いつどこへ行ってどうしたらいいのかの連絡を待っている最中だからだ。これはインターネットを使っての連絡ではなく、電話で連絡を取り合っている。

 問題となっているチェーンメール本文の内容と、私が受けている相談の内容には似通っている点があるが、私に求められている役割は、最適なタイミングでの血液の提供ではあるが輸血ではない。思いつきで最寄の血液センターをふらりと訪れて献血をすることでもない。この点、問題のチェーンメールの趣旨とは相違がある。また、日本赤十字がWebサイトで「現在、全国どの地域においても、B型Rhマイナスの輸血用血液は不足しておりません」としていることも、私が受けている相談を虚偽とする材料にはなり得ない。

 繰り返しになるが、問題のチェーンメールの内容と、私が受けている相談がかかわりがあるのかは分からない。だが、もしこのチェーンメールが書かれたきっかけが、私が受けている相談と同じものであるとすれば、メールの内容に誤りがあったとしても、「デマ」「偽メール」とは言えないのだ。とすれば、こういう記事にした記者とデスクには、正しいことを見極めて、正しいことと誤りを分けて伝える能力に欠けている。また、この記事がプライバシーを侵害するかもしれないと心配するセンスにも欠けている。

 私に相談の電話をくれた人(チェーンメールを書いた人でもばらまいた人でもない)は、この対応を強いられてたいへんなようだ。人の失敗をあげつらう以前に、自分の行いが誰にどんな迷惑、混乱をかけ得るか、その心配をすべきだ。

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