「近大節」オリジナル説に遭遇


中央大学でクラブやサークルの活動に熱心だった学生は「中大節」なるものを歌う。「ここはお江戸か神田の街か」で始まるもので、駿河台にキャンパスのある(あった)大学には同様のものが伝わっている。日本大学の人は「日大節」として、明治大学の人は「明大節」として歌っているのを、夜も更けた繁華街ではよく聞いたものだ。所在地が全く別の女子大の人たちが歌っているのを聞いて感心したこともあった。

 他学の人が歌っているのを聞けば、「お、あすこもか」と感心し、聞こえている間は騒々しくするのは遠慮したものだ。お互いの学生生活の楽しみを認め合い、「くやしいね、このこの」とも思いながら、かすかに漂ってくる連帯感を大事にしようと思ったもの。

 いずれ、ルーツはどこかの大学あるいは過去あった学校にあるのだろう。いまやパブリックドメインとなっているこの学生愛唱歌のおおもとをいつか確かめて、感謝の気持ちを湧かせてみたいと思っていたものだ。

 ところがこれ、パブリックドメインではないのだそうな。この歌の著作権を主張する者がいると知って非常に驚いた。他の使用をはっきりと禁じ、これまでに抗議活動も行っており、謝罪を勝ち取っている例もあるし、他の使用を見つけた者はチクれよと言う、私から見てたいへん荒々しい記述を見つけてしまった。

近畿大学応援部OG・OB会 HomePage

 記述の趣旨の法的根拠を確認する気も起こらず、ただただ寂しく、心がすさむ思いがした。

 まあ、なかなかの威力の時限爆弾だ。20年経って、あの頃の楽しい気持ち、皆でよく飲んだときの爽快で温かい思い出が、こういう形で破壊されようとは、全く想像していなかった。

 この「なんとか節」なるもの、今夜おおいに私にとっての価値を下げた。口が曲がりそうなので、もう口ずさむこともあるまい。耳が曲がりそうなので、誰も私の前でこれを歌唱することなかれ。

 ぼろが旗印とはね。なるほど。その名も永遠に残りましょうな。