技術と力の欠如が太平を破る

ペリー。ならず者の代表の一にしてある意味では恩人。 壊れた世界
ペリー。ならず者の代表の一にしてある意味では恩人。

江戸時代というのは、一種の楽園だった。もちろん、欠点もたくさんあったけれど、300年近く戦乱がなかった。人権の問題を除いては、かなりよい国家の形になっていたはず。

ペリー。ならず者の代表の一にしてある意味では恩人。

ペリー。ならず者の代表の一にしてある意味では恩人。

 それがなぜ瓦解したか。技術革新を抑圧したことと、軍備を怠ったことと、この二点に尽きるのではないか。

 現代の日本は技術立国とか言いながら、エネルギー政策の抜本的な転換のストーリーが描き切れていない。一方、バイオ関連では、江戸時代の鎖国政策と農本主義を彷彿とさせる後ろ向きの“民意”が足を引っ張っている。

 なぜ? どうしてできるのに、できないのか。これらのひどさについては、外国の関与も疑ってみるべきだ。

 そして軍備。とりわけ海軍力。「太平の眠りをさます上喜撰たった四はいで夜もねむれず」と嗤われたとおり、わずか4隻の黒船で幕府は震え上がった。外国への諸藩の抵抗も、砲弾に叩きつぶされた。力を持たなかったために300年保ち続けた安寧は奪われ、挙げ句の果ての不平等条約に半世紀も悩まされた。

 あの教訓は、日本が平穏な独立国であり続けようとする限りは、永遠に生かさなければならない。開国・技術革新・軍備の後には、自らの暴走を抑え込む必要があるという教訓とも合わせて。

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